2018年11月8日木曜日

ロックなお話し(聖飢魔ⅡとKISS)


聖飢魔Ⅱというバンドをご存じだろうか。独特なメイクとコスチュームが売りのヘヴィ・
メタルバンドだ。聖飢魔Ⅱをあまりご存じない方でも、このバンドのフロント・マン、デーモン・小暮閣下のことは知っている方も多いだろう。バラエティ番組で閣下のご尊顔をご覧になったことがおありでは。そうそう、一時期閣下はワイドショーでもスターだったなwww。

 

私は特に聖飢魔Ⅱのファンでもなんでもないのだが、たまたまYouTubeで彼らのコンサートを見て、そのMCの面白さに感心してしまった。ヘヴィ・メタルが好きって人は、絶対に楽しめるコンサートだと思うよ。やっぱりコンサートは楽しくなちゃね(あ、彼らの場合はコンサートじゃない、ミサだったよな)。

それに、単なる色物バンドだと思っていたのだが、演奏自体もしっかりしている。おすすめのライブ・バンドです。

 

と言っておきながら何だが、私自身はどうも彼らのメイクやコスチュームを見ていると、KISSを連想してしまう。いや、別に彼らがKISSを真似ている、というのではない。ただ、レックス世代のロック・ファンにとっては、KISSってもう、NO.1のアイドル・バンドでね。どうしてもそっちに連想がいってしまうのだよ。

 

当時、クィーン、エアロスミス、KISSが、日本におけるロックの3大アイドル・バンドだった。エアロスミスとクィーンが女の子の人気を集めていたのに比べて、KISSは男の子、特に年齢層の比較的低い男の子たちに人気があった。あくまでこの日本でのお話だけど。

中学生で初めてKISS体験してロックに目覚めた、というロック少年も多かったのじゃないかな。

 で、ロック少女だったレックスも当然KISSやエアロ、クィーンは大好きでね。特に、KISSは何と言うのだろう、

「わー、何このバンド!?」

 って、衝撃を受けましたよ、雑誌の写真を見て。音じゃなくてビジュアルってところが、いかにもミーハー

 

そんなある日のこと、その噂のKISSがついに来日することになった。田舎町の女子高生レックスも、はるばる日本武道館まで駆けつけた。当時、大物ロック・ミュージシャンもぼつぼつ来日し始めていた頃だったけれど、それでも今よりずっと、

今見とかな、いつまた会えるねん!? (なぜか関西弁)」

 という思いが強かった。多分、

「ついに本物の、動くKISSに会えるんだ!!」

 という胸の高まりは、今の若者と比較にならないほど強かったと思う。

 

で、念願の武道館。到着してみると、同じように胸を高鳴らせた少年少女が大勢いて。
ジーン(シモンズ)は火を吹くだろうか!?」
 という話で盛り上がっていたっけ。武道館の傍らには消防車も止まっていて(実話)。そして中に入ると、どこまでも高い武道館の天井と、びっしりと埋まったファンの姿。

「武道館て、なんて大きいんだ!!」
 もう、あの時はその大きさに目を見張ったよ、田舎の女子高生レックスは。今見ると、

「わぁ、武道館って、東京ドームと違ってこじんまりとしていいな!」

 なんだけどね。当時、武道館は別名「ロックの聖地」!! ロックの聖地だよ、ロックの聖地。ああ、時代を感じる言葉だなぁ。さしずめレックスたちは巡礼者ってか!?

ま、それはともかく。

 

武道館の大きさやその独特の雰囲気に、目をうるうるクルクルしていると、不意に照明が落ち、ついに夢にまで見た「動くKISS」が目の前に現れた。ポール・スタンレイが片手を上げる、そして流れる耳慣れたメロディ・・・・。

その時、レックスは思った。

 

KISSって、下手だったんだ・・・・・

 

そう、彼らの演奏は、お世辞にも上手いとは言えないものだったのだのだ・・・・。

 

いやね、それまでレコード(当時はCDはまだ無かった)やプロモーション・ビデオでしかお目にもお耳にもかかったことがなかったので、知らなかったんだよね。

 

けれども、その下手な演奏に、レックスはえらく感動した。

 

それは、下手だというその事実が、レコードでもない、ビデオでもない、生身の人間としての彼らを、より強く実感させたからだと思う。何だか、彼らの息遣いが体感できたような気がした。

 

今もあの時の感動は忘れない。

 

上手いだけが能じゃない、やっぱりミュージシャンとしての、そして人間としてのオーラ、だよね。



本当に熱い1日だった。



今は、「あんなに~、好きな人に出会う夏は~、二度とない~」んだろうな、ちょっと寂しいレックスおばさんなのである。

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