聖飢魔Ⅱというバンドをご存じだろうか。独特なメイクとコスチュームが売りのヘヴィ・
メタルバンドだ。聖飢魔Ⅱをあまりご存じない方でも、このバンドのフロント・マン、デーモン・小暮閣下のことは知っている方も多いだろう。バラエティ番組で閣下のご尊顔をご覧になったことがおありでは。そうそう、一時期閣下はワイドショーでもスターだったなwww。
私は特に聖飢魔Ⅱのファンでもなんでもないのだが、たまたまYouTubeで彼らのコンサートを見て、そのMCの面白さに感心してしまった。ヘヴィ・メタルが好きって人は、絶対に楽しめるコンサートだと思うよ。やっぱりコンサートは楽しくなちゃね(あ、彼らの場合はコンサートじゃない、ミサだったよな)。
それに、単なる色物バンドだと思っていたのだが、演奏自体もしっかりしている。おすすめのライブ・バンドです。
と言っておきながら何だが、私自身はどうも彼らのメイクやコスチュームを見ていると、KISSを連想してしまう。いや、別に彼らがKISSを真似ている、というのではない。ただ、レックス世代のロック・ファンにとっては、KISSってもう、NO.1のアイドル・バンドでね。どうしてもそっちに連想がいってしまうのだよ。
当時、クィーン、エアロスミス、KISSが、日本におけるロックの3大アイドル・バンドだった。エアロスミスとクィーンが女の子の人気を集めていたのに比べて、KISSは男の子、特に年齢層の比較的低い男の子たちに人気があった。あくまでこの日本でのお話だけど。
中学生で初めてKISS体験してロックに目覚めた、というロック少年も多かったのじゃないかな。
「わー、何このバンド!?」
って、衝撃を受けましたよ、雑誌の写真を見て。音じゃなくてビジュアルってところが、いかにもミーハー。
そんなある日のこと、その噂のKISSがついに来日することになった。田舎町の女子高生レックスも、はるばる日本武道館まで駆けつけた。当時、大物ロック・ミュージシャンもぼつぼつ来日し始めていた頃だったけれど、それでも今よりずっと、
「今見とかな、いつまた会えるねん!? (なぜか関西弁)」
という思いが強かった。多分、
「ついに本物の、動くKISSに会えるんだ!!」
という胸の高まりは、今の若者と比較にならないほど強かったと思う。
で、念願の武道館。到着してみると、同じように胸を高鳴らせた少年少女が大勢いて。
「ジーン(シモンズ)は火を吹くだろうか!?」
という話で盛り上がっていたっけ。武道館の傍らには消防車も止まっていて(実話)。そして中に入ると、どこまでも高い武道館の天井と、びっしりと埋まったファンの姿。
「武道館て、なんて大きいんだ!!」
もう、あの時はその大きさに目を見張ったよ、田舎の女子高生レックスは。今見ると、
「ジーン(シモンズ)は火を吹くだろうか!?」
という話で盛り上がっていたっけ。武道館の傍らには消防車も止まっていて(実話)。そして中に入ると、どこまでも高い武道館の天井と、びっしりと埋まったファンの姿。
「武道館て、なんて大きいんだ!!」
もう、あの時はその大きさに目を見張ったよ、田舎の女子高生レックスは。今見ると、
「わぁ、武道館って、東京ドームと違ってこじんまりとしていいな!」
なんだけどね。当時、武道館は別名「ロックの聖地」!! ロックの聖地だよ、ロックの聖地。ああ、時代を感じる言葉だなぁ。さしずめレックスたちは巡礼者ってか!?
ま、それはともかく。
武道館の大きさやその独特の雰囲気に、目をうるうるクルクルしていると、不意に照明が落ち、ついに夢にまで見た「動くKISS」が目の前に現れた。ポール・スタンレイが片手を上げる、そして流れる耳慣れたメロディ・・・・。
その時、レックスは思った。
「KISSって、下手だったんだ・・・・・」
そう、彼らの演奏は、お世辞にも上手いとは言えないものだったのだのだ・・・・。
いやね、それまでレコード(当時はCDはまだ無かった)やプロモーション・ビデオでしかお目にもお耳にもかかったことがなかったので、知らなかったんだよね。
けれども、その下手な演奏に、レックスはえらく感動した。
それは、下手だというその事実が、レコードでもない、ビデオでもない、生身の人間としての彼らを、より強く実感させたからだと思う。何だか、彼らの息遣いが体感できたような気がした。
今もあの時の感動は忘れない。
上手いだけが能じゃない、やっぱりミュージシャンとしての、そして人間としてのオーラ、だよね。
本当に熱い1日だった。
本当に熱い1日だった。
今は、「あんなに~、好きな人に出会う夏は~、二度とない~」んだろうな、ちょっと寂しいレックスおばさんなのである。
0 件のコメント:
コメントを投稿