2018年5月28日月曜日

働いている限り、こんなこと言っているのかな・・・・・


ウチの会社はシフト制なので(しかも週3日勤務だし)、金曜日から月曜日まで、4日間連続で休みだった。で、今日・・・・・

 

「明日会社行きたくねぇ~!!!」

 

この年で仕事が見つかって良かった、働かせてもらえてありがたい、皆さんいい人ばかりだし(同僚のパートさん達はね・・・ただし、会社と社員は除く)、いくら言い聞かせてもこの感情は抑えがたく。

 

仕事なんてみんな同じ、つまらないもんだよ。

お金のために働いているんだから。


そんな声もよく聞く。

たしかにその通りだろう。でも、そんな声も気休めにはならないのだ。

 

何でこんなに行きたくないのかなぁ~、と思う。

元々怠け者だからか。それとも今の仕事が合ってないのか。
 
母を介護しながら正社員としてフルタイムで働いていた時に比べたら、今は遊んでいるぐらいのものだ。天国、小原庄助さん状態。それなのに、「ラクになった」という実感に乏しい。人間はすぐに環境になじんでしまうものなのかもしれない。特に、ラクな環境には。

 

こんなことではいけない! せっかく今はラクな働き方をさせてもらっているのだ。金はないが、時間と自由はある。そう、そのためのセミリタイア・モードじゃないか。この特権を生かさない手はない。何か今しかできないことをしなければ。

 

掛け声だけは勇ましいのだが、相も変らぬ毎日がスルスルと過ぎて行ってしまう。そして私はまた、つぶやくのだ。

 

「会社行きたくね~!!」

 もはや、病気(とは思いたくないけど)。困ったものだ、しょうがないヤツだ、それでもやっぱり叫びたい。

 

「会社行きたくね~!!」

(レックス、心の叫び)

2018年5月22日火曜日

いつまで一緒にご飯を食べに行けるかな・・・・・


昨日は仕事の休みを利用して、母を外に食事に連れ出した。母の入所している特養から車で20分ほどの所にあるショッピング・モールだ。

 

最近はいい時代になった。車イスごと乗れるタクシーがあるし、こういうショッピング・モールでは多目的トイレも充実している。ベビー・カーで来るママも多いので、店内の通路も広めだ。車いすの母を連れて行っても、さほど困らない。

 

母には何週間も前から、

「誕生日には外に食事に行こうね」

 と言っていたが、もちろん母はそんな言葉は覚えていない。タクシーに乗りながら、

「どこへ行くの?」

 としきりに気にしている。きっと、認知症になると自分の周りの状況が理解できなくなるので、いつもと異なった場所に置かれると、不安になるのだろうなぁ。その度に、

「○○タウンだよ」

 と答える。

 

モールに着いても、母は何も言わない。

「へ~、広いのね」

 とか、

「あそこに花が咲いてるね」

 など、いわゆる「感想」を口にしない。何も感じていないのか、それとも自分の思いを表現する能力がなくなってしまったのか、私には判断できないが。




この日はモール内の和食系のファミレスで、姉も交えてランチである。母には温かいうどんと、魚と野菜の煮物をとった。この頃の母は、施設では刻み食やおかゆ生活だ。大好きなお寿司を食べさせてあげたいけれど、お腹の方が心配で結局このオーダーに落ち着いた。年を取ると、段々と食べるものも制限されてしまう。

 

母は黙々とうどんやおかずを食べている。「美味しい」とも言わない。「まずい」とも言わない。それでも意外な食欲を見せている。ここでも私には、母が喜んでいるのか、それともつまらないのか、分からない。喜んでいると思いたい。楽しんでいると思いたい。一方で、これは自分の自己満足なのかも、とも思う。私は、
「自分は母を外に食事に連れて行く良い娘」
 と思いたいから、また周りに思ってもらいたいから、だからこんなことをやっているのではないか・・・・・。でも、実際の母はどうなのだろう。本当に喜んでいるのかなぁ。人間、いくら親子と言っても、自分がその立場に立たなければ、中々本当の気持ちは分からないものだなぁ、と思う。


そんなことを考えている間にも、母はどんどん食べる。
姉は、



「皆で食べているから、食が進んでいるのじゃないか」

 と言う。でも、私は母のお腹を心配してしまった(食い過ぎないでよ~)。

 

自分が食べ過ぎているのか、それとももっと食べた方が良いのか、認知症はそうした判断も奪ってしまうのだ。段々と産まれた時に戻って行く母。

 

食後に母の新しいカットソーとブラウスを買い、紅茶を飲んでから施設に戻った。

 

多目的トイレは広かったけれど、それでも母が全く立てなくなったら、私には介助ができなくなる。

「いつまでこうして一緒に食事ができるかな」

 帰り道、ふと、そんなことを考えていた。

2018年5月18日金曜日

そして、また一人辞めました・・・・・


ついこの間、また一人辞めまして・・・・・。それが、ちょっと、どうもな辞め方で・・・・。う~ん、やっぱりこの職場、少し問題アリですよ。

 

最近入って来た人なのだが、ある作業にかなりな時間がかかったらしい。標準的な作業時間の45倍ほどかかった、という話を小耳にはさんだ。それで、責任者の社員から呼びつけられ何やら注意を受けていたのは、私も知っている。それが午前中の出来事だ。

と、何とその人、その日の午後に辞めて帰ってしまったのだ! いや~、普通ないっすよね~、それ。私も含めて、残りの皆で、

「よっぽどキツイこと言われたんだね」

 とひそひそひそ・・・・・。

 

具体的にどんなことを言われたのか、それは知らない。しかし、その場で辞めて帰ってしまうなんて、やはり尋常ではない。確かに人の45倍の時間がかかる、というのはまずい。が、まだ入って間もない人だ。それだけ時間がかかるということは、何か理由があるはずなのだ。やり方を間違えているとか、要領をつかめていないとか。

少なくとも私が指導担当者だったら何が原因で時間がかかっているのか、確認する。そして、その原因を取り除くような方向へ持って行くことを考えるだろう。それでもなお時間がかかるようだったら、その時に注意したって遅くはない。それを、いきなり頭から、

「何でこんなに遅いんだ、君は!?」

 とやられれば、ムッとくるのも無理はない。相手はパートのおばさんだ、と言っても大の大人なのだ。プライドもあれば人生経験・仕事経験もあるのである。

 

何より、

「もうすでに10人以上辞めちまっているんですよ、ダンナ」

 と言いたいわけですよ、私は。これ以上、無駄に人を減らして欲しくはない。

 

「辞めたいヤツは辞めてしまえばいい。どうせ、募集すればまた来るんだから。それで掘り出しモノ(?)を探した方がいい」

 とでも思っているのだろうか、と疑いたくなる。

 

どうもね~、浦島太郎レックスには最近の仕事事情が分かりませんよ。人がどんどん辞めてしまっても、何とも感じないのかなぁ~、と思う。それとも長い間小さな会社でずっとちんまりと働いてきたから、私の感性が世間一般とずれてしまったのだろうか。

辞める方にしてもそうだ。いくら会社側のやり方が腹に据えかねると言っても、契約違反や労基法違反があったわけではない。私だったら、その日のうちに帰る、ということは、躊躇する。やはり、社会人の端くれとして、

「辞めます」

 ということを伝え、キリの良い日を決める。ま、普通なら月末だよね。でもね、辞めていった他の人も、急に辞めたり、早退と欠勤を繰り返したあげく辞めたりと、私としては首をかしげることがちらほらあったのだ。もちろん、ほとんどの人はきちんと辞めていったけれど。

 

今はそれが普通なのか、うちの会社がおかしいのか、私には判断のしようがないが。ま、自分は自分の思ったやり方で行くしかないよね。

 

それにしても、頼みますよ~、これ以上辞める人増やさないで>社員の皆様。

まったく、落ち着かないったらありゃしない、と一人愚痴っているレックスだった。

2018年5月13日日曜日

おばさんの駆け込み所・事務センター


久々に就活ネタです。

 

紹介予定派遣の「事務センター」を受けることにしたレックス、当日は派遣会社から冷たく言い渡された。

「今日、面接されるのはレックスさん一人です」

 う~ん、あんまり一緒に受ける人がたくさんいるのも心配だが(たくさん居るほど自分落ちそうじゃないすか)、一人というのも不安である。

「そんなに人気がないとこなのかな~」

 胸をよぎる一抹の不安。とは言え、選べる立場でないことは重々承知だ。派遣ということで、一応派遣会社から担当者が来てくれるらしい。

「私なんてどうでもいい応募者だし、きっと頼りない新人君でも来るんだろうなぁ」

 

さて当日。指定された場所に行くと見るからに草食系の、新入社員ぽい男性が一人。どうやらこのお兄さんが派遣会社から来た私の担当スタッフらしい。

「う~ん、想像した以上にイメージにマッチした兄ちゃんだなぁ」

 としみじみするレックス。頼りないこと谷のごとしだ(兄ちゃん、すまん)。

 

さて、肝心の面接だが、実は内容をほとんど覚えていない。もはや落とされ続けて8ヶ月、

「もう、どうでもいいや」

 と半ば投げやりな気分が支配していた。ただ、

「お弁当持参OK、服装も何でもよい、ジーンズでもかまわない」

という話を聞いた時には、思わずちっこい目が輝いてしてしまった。流行の通勤着をあれこれと身にまとい、都心までさっそうと出勤するのも楽しみの一つだったのは、はるか昔のお話だ(あの頃は若かったね→遠い目)。が、今となっては、

「服装には一切金をかけたくない!」

というのが、一番の望みだ。また、昼飯に金をかけるのもちょっと勘弁だ。

「今日のお昼は駅前のイタ飯屋さんにしましょうよ!」

 なんて御免こうむる。

「少なく稼いでより少なく使う」

これが今の私のモットーである。

 

後は、以前の仕事内容や会社の業務内容など、お決まりの質問に答えて、私の面接は終わった。

 

終わって会社の外に出た時、「今度も多分ダメだろうなぁ」と、正直そう思っていた。ところが、案に反してトントンと話が進み、アッと言う間に働くことになってしまったのだ。本来なら8ヶ月の血と汗の就活が終わりを告げたわけだから、もろ手を挙げて歓迎するところなのだが、正直なところ、素直に喜ぶ気にはなれなかった。

「私を雇うなんて、よっぽど人材不足なのかな」

 おお、我ながらなんてネガティヴでひねくれた考えだこと。が、このひねくれた勘は、不幸にも8割方的中したと今は思っている。

 

まあね、50代後半で雇ってくれる会社って、何かありますよ。しかし、50代後半のスキルの無いおばさんにとっては、やっぱり「事務センター」ってお助けアイテム(?)、駆け込み寺だよなー、とつくづく思う。(来客へのお茶出しなどの)顔出しなし、たいていの場合高いスキルも不必要、一度に大勢雇ってくれるからもぐり込みやすい、ただし時給は低め・・・・・(だから若い人はあまり来ない)。おばさんに優しい条件がそろっている。まぁ~、何はともあれここで続けるっきゃないよね、ここしか雇ってくれなかったんだから。

 

これで、一応、就活話は終わりを告げた、めでたしめでたし。でも、ひょっとしたらまだまだ続いてしまうかも!? とちょっぴり戦々恐々なレックスおばさんなのだった。

2018年5月11日金曜日

時間の流れの違いを感じた熱海旅行


今回の熱海一人旅、久々にしては良い旅行だった。私なりに堪能することが出来たと思う。ホテルで熱海の海を見ながらゆったりとくつろげたし、御馳走もたっぷり詰め込んだし。気になっていた場所にも行って来られた。アッと言う間に終わってしまったけれど、案外簡単に行けることが実感できたので、熱海にはまた足を運びたいと思う。

美しい熱海湾、その海の翠を囲む山の緑、自然の魅力だけでなく文化の香りもただよっている。かと思えば、昭和レトロでB級な、猥雑な一面もある。熱海は不思議に奥深い街だった。だから、時代を超えて愛されているのだろう。

 

今回、自分で一つ、つくづく感じたことがあった。

「私って、案外せっかち・・・・・」

 東海バスのチケットを買う時、係の方がPCの操作に手間取り、少し時間がかかったのだ。ほんのちょっとの時間なのに、バスの出発が気になりイライラしてしまった。

また、「MOA美術館」でも中のカフェでコーヒーを注文した時にも、

「出てくるのがずいぶん遅いな」

 とイラついてしまった。自分でも気がつかないうちにせっかちになっていたのだな、と。都会では誰もかれも先を急いでいる。何でも「スッ」と出て来るのが当たり前になっている。しかし、場所が変わればまた異なった時間感覚があるのだ。すぐにイラつく自分の懐の小ささを反省した。

 

ゆったりとした時間の流れに身を任せる、そうした機会を積極的に持つ必要があるのかもしれない。

 

そうそう、それからお土産は一切買わなかったのだが、温泉まんじゅうぐらい買っておけば良かったかな、と思った。特に温泉まんじゅうが大好きというわけではないが、やはり熱海には温泉まんじゅうが良く似合う、と思うのは私だけだろうか。卓球と並んで、日本的温泉旅行にはなくてはならないアイテムと言えるだろう。

 

次回はぜひともまんじゅう片手に温泉卓球、だよね!?

(ちなみに、帰りに熱海駅のエキュートで食べたクリームあんみつは美味しかったです)

2018年5月7日月曜日

朝のバイキングに感激する50代シングル♀


パワー・スポットにも行ったし花火も見た、お腹もいっぱいだ、私は10時過ぎには早々とベッドに入った。さあ、熱海の夜に見る夢はどんな夢だろう。

 

眠れない・・・・・・

 

1時間、2時間と経過するも、目はパッチリと冴えるばかり。たくさん歩いて疲れているはずなのに、いっこうに眠くならない。思い当たることと言えば、すきっ腹を紛らわすためにガブガブと飲んだお茶である。

御存じのように、緑茶にはけっこうな量のカフェインが含まれている。やはり、アレが私の眠りを妨げているとしか思えない。

 

気をつけよう、ホテル・旅館の備え付のお茶。って、意地汚くがぶ飲みするのは、私ぐらいなものか。

 

そんなわけで、睡眠不足な2日目の朝を迎えたレックスだった。

 

しかし、捨てる神あれば拾う神あり、ここで嬉しいサプライズ第二弾が。サプライズ、というほどのことではないが、朝のバイキングが思いのほか充実していたのである(って、また食い物かい→自分)。前日のお昼に熱海名物「海鮮丼」を食べられなかったことが心残りだったレックスだが、朝のバイキングでちゃんと海鮮丼があったのである。正確には自分で海の幸をご飯に乗せて海鮮丼を作る、という趣向であったが、私にはこれで十分だ。プチ・ケーキや果物も充実しており、せっせとお替りに精を出したのは言うまでもない。これで、昼飯の分まで詰め込んでおくぞ! これだから貧乏人は困る→自分。

 

ここでショックなことが判明した。チェック・アウト時、「ない」と思っていた売店とカフェが、ちゃんとフロントの裏側にあったのである! まあね~、普通に考えればたいていはあるわな。ああ、昨日のうちに気が付いていれば、すきっ腹にお茶を流し込むこともなかったし、したがって夕べもぐっすり眠れたはずなのだ。時すでに遅し、である。これも日頃の行いだろうか。

 

さて、本日の一番の目的は、「寛一お宮の像」である。熱海と言えば「金色夜叉」、「金色夜叉」と言えば熱海、やはりこの「寛一お宮像」は、熱海になくてはならないランド・マークだ。と言っても、私は尾崎紅葉も読んだことはないし、「金色夜叉」の内容も詳しくは知らない。寛一と恋仲のお宮さんが、実家の窮地を救うため寛一を裏切り、金持ちの男と結婚した、とまあこんな内容のお話、だったと思う。

「ダイヤモンドに目がくらみ・・・・・」と言うが、

「普通にあるだろ、それぐらい。っつーか、足蹴にするなんて、お前DV男だぞ、寛一!!」

 金にシビアな女とDV男じゃ、DV男の方が悪いんでないかい!? と思ってしまうのは、やはり私が(がめつい)女だからか(金には縁がないが)。昔の女にいつまでもうじうじしてないで、さっさと次に行かんかい!? →寛一。

 

そんなこんなで「寛一お宮の像」目指して歩き始めた私だが、行けども行けども、ない・・・・・・。

「おかしいな~、もうサンビーチ終わっちゃったのに」

 しかし、熱海まで来てこの像を見ないというのでは、おのぼりの名がすたる。今一度引き返してよくよく見れば、

「あ、ビーチじゃなくて、ビーチと大通りとの間にあるのか」

 どこまで行っても何かが抜けているレックスである。

 

やっとの思いで見つけた「寛一お宮の像」はなんてのことのない足蹴像だったが、そこそこ観光客が集まっていた。さすが「寛一お宮」、日本の一時代を象徴するカップルだけのことはある。さあ、これで心おきなく「MOA美術館」に向かえるぞ!

 

熱海と言う場所は観光地でもあるが、非常に文化の香りのする場所でもある。芸術家や文化人に愛されてきた土地なのだ。それは、熱海湾を囲むように山が迫り、独特の風光明媚な景観を作っているためもあるだろう。

今回の旅行で、私がどうしても外せなかったポイントが、「来宮神社」とこの「MOA美術館」だったのである。なお、「MOA美術館」を「モア美術館」だと思い込んでいたのは、ご愛嬌だろう(正しくは「エムオーエー美術館」です、はい)

 

MOA美術館」は山の上にあり、心と頭と共に身体にも刺激を与えてくれる、素敵な美術館だ(階段がけっこう多いっす、ぜーぜー)。中も非常に美しくて、ハイセンスな内装である。主に「葛飾北斎」や「歌川広重」の筆による浮世絵や、昔の陶磁器などが展示されている。ちなみに、レックス、絵は全く分かりません、ハイ。ただ、個人的な好みを言えば、葛飾北斎の方が動きがあって良かった。両者を見比べてその違いを感じるのは、けっこうおもしろい。

 

ここで私が最も感動したのが、実は能楽堂であった。もちろんお能が演じられていたわけではないし、私は絵以上に能に対する見識なぞナッシング。しかし、能楽堂に一歩足を踏み入れたとたん、その独特の空気感とでもいうものに圧倒された。一度、能を見てみたいものだ。

 

この「MOA美術館」、もしバスで行くのなら東海バスでバスチケットと入場料がセットになった、お得なパスが出ているので、購入するのもいいだろう。

 

今回、マニア(?)の間で「B級観光スポットの王者」と称えられている「熱海城」と「熱海秘宝館」「熱海トリックアート迷宮館」には時間が無くて行けなかった。まあ、これは次回のお楽しみということにしよう。初島にも行きたいし、大島にも行きたいし、まだまだ熱海の魅力はつきない、ということだろう(ただし、「秘宝館」におばさん一人で訪れる図というのは、ちょっと何とも・・・・だよな)。

 

MOA美術館」から戻った私は、エキュートのクリームあんみつで疲れを癒したのだった。                     

2018年5月5日土曜日

これぞ熱海! ホテルの窓から花火見物


私の中には、これこそがホテルの中のホテル、旅行の中の旅行、「ザ・ホテル」「ザ・旅行」とは、まさにこいつのことよ! という確たる信念(?)がある。それが、熱海と箱根なのである(むろん、何の根拠もなく)。伊東の「ハ〇ヤ」と並び、長年の私の憧れ、ヒーローなのだ。

 

しかし、熱海の温泉ホテルで一泊、という私の夢はずっとかなうことなく今日に至ってしまった(箱根は、10年ほど前についにその望みを果たした、ふぉーっふぉっふぉっふぉ)。

両者に共通しているのは、伝統的な日本の観光ホテルの姿を今にとどめていることと、お値段がお高いことである。

「ええ~、熱海の高級ホテルで3泊するなら、グアムへ行けるじゃん!?」

 などとバチ当たりなことを考えては、そっちを選んでしまっていたレックスだった。思うに、当時の私は熱海の真の魅力を理解するには、まだまだ修行が足りなかった、ということだろう。

 

それが、ついに今回、その夢が実現する。そんなわけで、ホテル選びの段階からめちゃくちゃ肩に力が入っていたレックスだった。

 

しかし、熱海でお一人様、しかもそこそこリーズナブルなお値段で泊まれる観光ホテル、むろん2食付、などというところは非常に限られてしまう。素泊まりやビジネスホテルの類ならばお安いホテルも多いのだが、私としてはやっぱり「温泉付き観光ホテル」に泊まりたい(しかも私の払える金額で←ここ大事)。

 

目を皿にしてネット検索したあげく選んだのが、「リゾーピア熱海」だった。このホテルの良さはその立地だ。客室から熱海の海が一望できる。しかも、朝食はバイキングだが、夕食はレストランで和食のコースを堪能できる。お値段もまあまあ。何といっても、お一人様OKってのが嬉しいよね。結局このホテルを選んだのだが、夕食のコースをお安い方にしたのは、やはり私のサガだろう。

 

熱海駅から無料の送迎バスが出ているのだが、乗り遅れた私はホテルまで歩くことにした。歩いても駅から10分ほどと、ブラブラと景色を楽しむにはちょうど良い距離だ。歩を進めるほどに、海が少しずつ近づいてくるのも心地よい。

実はこの時すでに夕方の4時を回っており、私はお腹を空かしていた。何しろ昼は調理パン1個である。

「ま、ホテルに着いたら売店ぐらいあるだろう」

 しかし、これが大きな間違いであったのを、後で知ることになる。

 

土曜日でもないのに、ホテルのフロントはけっこう混雑していた。さすが、熱海である。チェック・インはすんなりといったのだが、しかしどこを見回しても売店らしきものがない。レストランも夕食を食べる和食レストランのみで、カフェのようなものは見当たらない。

「そ、そんな馬鹿な」

 うろたえる私。すでに私の腹の減り具合はマックスだ。しかも、夕食は、

「すでに早いお時間は満席でございます。7時からでお願い致します」

 う~む、これは計算外であった。駅のコンビニで何か買っておけばよかった、と思うも後の祭り。

 

部屋は狭いながらも想像通り熱海湾が一望でき、十分満足のいくものだった。が、満足がいかないのが私の胃袋だ。仕方がないのでホテル備え付けのお茶をガブガブと何杯も飲んでしまった。俗に言う、「茶腹も一時」というヤツだ。しかし、これが後になってツケを支払わされることになるのである。

 

念願の熱海の温泉にもゆったりとつかり、浴衣に着替えてすっかりリラックス・ムードのレックス。待ちに待った夕食のお時間である。

「ええ~!?」

 私の中には「温泉ホテル(旅館)での正しい(?)夕食スタイルは浴衣」という、固い信念がある。ホテルに着いたらまずは温泉で旅の疲れを落とし、浴衣でリラックス、そこで御馳走を大いに詰め込む、という段取りである。が、いざレストランに着いてみると、浴衣姿は数えるほどしかいない。特に、女性は皆さんきちんと洋服を身に着けている。浴衣姿は、

私一人・・・・・・」

 ちょっと恥ずかしいかもしれない・・・・・・。ままよ、ここは食ってしまえば皆同じ、である(意味不明)。

 

事実、いざ食事が始まるとすっかり目の前のごちそうに目を奪われ、浴衣姿は気にならなくなった。お安いコースにも関わらず品数も豊富で、心から満足したレックスだったのである、ああ幸せ。






 

ここで思わぬサプライズがあった。

実は、この日は熱海の花火大会にあたっていたのである。熱海では観光の呼び物として、月に2度ほど花火大会を海辺で開催している。むろん、それをねらって旅行の日程を組んだわけではない。人が多かったのはそのためもあったのかもしれない。一人旅は大好きな私だが、さすがに花火大会やお祭りだけは、一人ではちょっと・・・・だ。それに、人ごみも嫌いなので、花火そのものは好きだが、花火大会の会場まで足を運ぶのは、苦手だ。だが、海辺に建つこのホテルのおかげで、自分の部屋から熱海の空を彩る花火をゆっくりと堪能することができた。

 

ああ、いい一日だったなあ、思い切って熱海まで来てよかったなあ、と心の底からしみじみと思った。これで終われば本当に良い一日だったのだけれど・・・・・。