ハロワでこじんまりとした会社をねらって数件受け続け、(見事に)全て落とされたレックス、無い知恵を絞り、少し方向性を変えてみることにした。
私が母の介護で離職するまで、同じ会社でぬくぬくと20年もの長きにわたり事務仕事をしていた間に、就活状況はすっかり様変わりしていた。以前はハロワや新聞、口コミや縁故が、その主な就活法だった。
しかし、今や就職試験までネットを利用する時代、ここはひとつ、ネット就活を試みる必要がある。
「そうよ、これからはネットよ!?」
ってなわけで、就活サイトをなめるように眺めてみたが、私を採ってくれそうな所を物色するのは中々に難しい。しかもこのおばさんは、
「もうフルタイムは絶対無理。これからはセミリタイアの時代だよね」
などと寝言こいているものだから、なおさらである。
そこで誰もが考える基本的な手段、「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」方式に出たのだが、その玉は遠慮なく、規則正しく返されてくる。
「う~む・・・・・・」
やはり、世の中、甘くはない。
今ならもっと正しく自分の立ち位置を把握できるが、当時はまだ自分の置かれている状態を認識できていなかった。何しろ、久々の就活であるうえ、典型的な井の中の蛙、ま、ぶっちゃけて言えば、「身の程知らず」なレックスおばさんだったのである。
ところで、私の若い頃は正社員が基本的な働き方だった。派遣で働くのは限定された職種や立場の、一部の人達だけだったのである。だから、私の中で無意識のうちに「派遣というのは不安定で、環境が良くない」という思い込みがあったのである。
「やっぱりパートでも派遣より直接雇用の方がいいよね」
しかし、背に腹は代えられない。私は就活サイトで年中募集している派遣募集の一つに、応募してみることにしたのだった。
それは、コールセンターだった。さすがに鈍くて身の程知らずな私でも、
「やっぱりどんなに小さい事務所でも、50代後半のブランクありありのおばさんを、事務で雇う所はない」
ということに気づきだしたのである(エライ、エライ?!)。
「コールセンターだったら顔が出ないし、タイピングぐらいなら私にもできるし。ここいっつも募集しているから、きっと人がいないんだと思うし♪ でも、ちょっと駅から遠いのが難点だなぁ」
とまあ、半分受かったような気でいた。
簡単な筆記テストとタイピングテスト、面接は無事に終わったのだが、やはり、と言うか、当然というか、結果は・・・・・・もはやお分かりのことと思う。
「いつも募集しているからと言って、誰でも採るというわけではない」
就活の現実を一つ、お勉強したレックスだった。
(ってゆーか、当たり前のことなんだけどね)
(ってゆーか、当たり前のことなんだけどね)