2020年9月13日日曜日

「事故物件・恐い間取り」

 



この間、平日休みを利用して映画を見てきた。

ここのところ、コロナの影響でライブ関連は全てNG。楽しみしていた神田伯山の講談も中止になったし、大衆演劇も歌舞伎も、何となく怖くて(都内に出るのが恐いんだよね、まだ)行けていない。そこで出てきたのが、映画。でも、映画館は両隣が空席の状態で、かなり快適に過ごすことができた。おまけに還暦を迎えたレックス、シニア割引がきくので、お得に見られる。ふっふっふ、年を取ると良いこともあるの~。が、気が大きくなってつい、館内でソフトクリーム食っちまったよ。ま、それはともかく。

 

アタシが見てきたのは「事故物件住みます芸人・松原タニシ」原作の映画化、「事故物件・恐い間取り」。

結論から言うと、まずまず、ってとこかな? ただ、二度見たいとは思わないかな。

 

ホラー好き・怪談好きのレックス、松原タニシのことはよく知っているし、本は読んだことはないが、彼の事故物件でのエピソードはたいてい聞いて知っている。映画は前半部分はかなり松原タニシの体験を忠実に再現していたと思う。主演の亀梨和也も、タニシのちょっとイケてないところ、ダサいところをよく表現していたよね。うん、ちょっと感心した、アイドル系なのによくここまでちゃんと表せたな、と。

 

後半はかなりエンターティンメントな感じで、まあこの辺りは映画だからね、そうなるかもね、と。隣に座っていた若いカップルの男の子が、

「後半はまんまB級だったよね~

 と彼女にしたり顔で言っていたが、チッチッチ、青年よ、それはちょっと違うよ、と。

 

ホラー好きのレックスに言わせると、ホラー映画というものは、その存在自体がB級なのだ。ホラー映画=B級。これが正しい。ついでに言うと、B級映画が劣っているという考え方には賛成しかねる。B級にはB級の良さがあるのだ。コメディと文芸作品を比べて、どちらが優れた映画か、なんて決められないのと同じで。B=二流ではない(とレックスは思っている)。

 

というわけで、そこまで「恐怖のどん底突き落とし映画」ではないし、わりといろんな人が気軽に見れる映画だと思うので、興味のある方にはお勧めしたい。

 

ところで、この映画の原作、松原タニシという芸人さん、事故物件に住み続けることでブレイクした人と言っていい。どこかで聞いたのだけれど、いわゆる「霊出るハウス」に住むと、二手に分かれることがあるらしい。一つは俗に言う霊障に会う人。ま、祟りってやつですか。で、あと一つは逆に運が付く人。松原タニシは明らかに後者だ。

 

これはレックスの偏見だけれど、松原タニシ、確かに事故物件住みます芸人にならなかったら、普通の芸人でいたら、絶対に売れなかったと思う。何と言うのだろう、芸人としてのオーラというのか、華があまり感じられない人なのだ。

だが、事故物件に住み、その怪談テイストの体験談を語る時には、彼の素朴な味わいや芸人としては朴訥な語りが逆に生きてくる。恐がらせようとしていないところもすごく好感が持てるし。

 

ただね~、その松原タニシに影響されてか、二匹目のどじょうを狙ってか、近頃怪談語りに転身する(?)芸人さんをよく見るのだけれど、これはどうなんだろう。あまりいいこととは思えないなぁ。というのも、松原タニシもこれから先、もはや事故物件に住まない時に戻ることはできないような気がするんだよね。つまり、後戻りができない。彼にも「このまま行くんだ」という腹をくくっているようなところが垣間見える。それが彼に一種の凄みを与えていて、今の波につながっているんだと思う。だけど、果たしてそれは芸人として幸せなことなのかな、とちょっと考えてしまう。やっぱり芸人は芸人として成功するのが一番幸せなんじゃないのかな、と。

 

それに、「二匹目のどじょう」狙いの人たち。本当に怪談が好きでやっているのならともかく、売れるためだけに安易に手を出すのは、どうなのかなと思うね。

 

ま、しょせん芸人さんの気持ちは分からないけどね、アタシには。




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