2017年12月8日金曜日

母の仁徳!?


ほとんど動けなくなってしまった母を前にして、途方に暮れてしまったレックス、しかし何か行動を起こさなければ、事態は何も変わらない。ともかく、地域包括センターに電話してみたのだが、やはり介護認定や援助等は、母の状態が確定していないとできないと言われてしまった。

 

「やっぱり最初は医者か。でも、どこに!?」

 

とりあえず母が以前かかりつけにしていた近所のクリニックの先生に電話してみた。この先生というのが・・・・・。

 

とても良い先生なのだが、診察室から出てくる姿を見ると、

「どっちが患者さん!?」

と聞きたくなるほどご高齢で。もしかして、先生の方が要介護!? なんて不謹慎な冗談も思わず脳裏に浮かんだりして。

 

とは言え、背に腹は代えられない。

 

先生に母の状態を話し、病院の紹介状を書いていただいた。先生は快く某総合病院に紹介状を書いてくださったのだが。

 

この総合病院と言うのが、その少し前に移転して、新しいピカピカの病院になったばかりで。それはそれでいいことなのだが。


これがまた、めちゃくちゃアクセス不便な所にあるのだ。今はバス便も整備されたようだが、母を連れて行った当時は車で行くしか手段がないような場所だった。免許のない昔人間レックスにとってはまさしく鬼門。やはり、病院と言うとある程度広い敷地を必要とするので、新しく作るとなると、どうしても郊外になってしまうのだろう。


とは言え、背に腹は代えられない。甥っ子に頼んでやっとの思いで連れて行ったのだった。

 

ところが、である。やっとの思いで連れて行ったのに、いざ受診となったら、

「え!? 歩けない!? 整形か。今日は整形ダメなんですよ、手術入っているから。内科の受診だと思ったからね」

である。おーまいがーっ!!

 

再び歩けない母を連れ出し、以前に一度かかったことがある整形クリニックへと向かったのだった。

 

そこで告げられたのが、「右大腿部の骨折」だった。なぜ!? どうして!? 転んだ覚えなど無いのに。うろたえる私に、医師は、

「昨日、今日の骨折じゃないね。ずいぶん前にやってるはず。高齢者は時々こういうことがあるんだよね。痛みに鈍感というか、その場では気がつかなくて、後で症状が出るんだよ。今となっては、いつのものか分からないな・・・・・」

 

頭を抱える私をよそに、母は、

「先生は以前、何でもないとおっしゃいました!」

いや、それ、もう1年も前の話だから。頼むから、先生にケンカうるのやめようね。ったく、子の心親知らずである。

 

「このままだと確実に寝たきりになるよ。ともかく、病院に紹介状を書いてあげるから。○○病院と△△病院、どちらにする?」

 

怒涛の展開に、もはや私の頭は爆発寸前だった。つい、1週間前までは、このような事態になるとは想像もつかなかった。

 

とりあえずその日は「ちょっと考えてみます」と言って母を連れ帰った。まったく、長い一日だった。

 

結局、レックス家からも姉の家からも近い病院にしたのだが、これが大正解だったのである。しかし、いきなり「どっちにする!?」と聞かれても、その場で適切な判断をするのは中々に難しい。やはり、日頃から医療情報には気を配っておくべきだな、と実感した。

 

なお、最初に行った某総合病院だが、実はあまり評判が芳しくないことを、後日知った。もしあの時に手術が入っていなかったら、あそこに入院になっていたのだろうか、と考えると、人間「運・不運」と言うか、間が悪い、良いというのは、確かにあるのかもしれない、としみじみ感じ入ったのである。

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