レックス家に文明の利器がやって来る。
そう、電子レンジである。
「ええ~!? 電子レンジ無かったの!?」
と驚くなかれ。
あんなもの無くとも、料理は作れるのだ。
「じゃあ、なんで買うの?!」
と言うと、そこはほれ、やっぱり便利だから、という答えに落ち着くのだけれどね。
これはレックスの独断と偏見だが、料理と言うものは直火に近いもので作るほど、旨いと思う。認知症になる前のレックス母に言わせると、
「ご飯は藁やマキで炊いたものが一番おいしい。次がガス。一番おいしくないのが電気」
だそうだ。便利さと引き換えに、何かを失っていくのかしら、なんちって。
レックスが子供の頃、レックス家には明治生まれの祖母がいたのだが、この祖母が火鉢を使っていた。今の若い人は火鉢なんて知らないだろうなぁ~。で、この火鉢の炭火で時々お餅を焼いてくれたのだが、このお餅が確かに旨かったのである。
それと、祖母はこの炭火を使って鉄瓶でお湯を沸かしていたのだが、このお湯で入れたお茶も美味しかったのを覚えている。
加えて、レックスは冷凍食品を一切食べない。これは身体に良くないからではなく、ただ単に好きじゃないから。また、出来合いの総菜の類もめったに食べない。これも身体に良くないからではなく、あまり好きじゃないから(それと、高いから、というのも大きな理由の一つである)。
そんなわけで、あまり電子レンジの必要性を感じていなかったのだ。
が、母が居たころはさほどでもなかったのだが、いざ一人暮らしになってみると、作った料理が余ってしまうことが度々ある。と言うより、一人分をキッチリ作る、というのは中々に難しい。
そんな時必然的に作り置き風になるわけだが、それを温める時にレンジが無いとイマイチ具合が悪い。
一々鍋に移して火にかけるのも手間だし、味が濃くなったり、しっかり温まらなかったりと、
「レンジがあればなぁ・・・・・」
と思うことが再三ある。
そんなこんなでこの昭和ど真ん中のレックス家にも、電子レンジがお出ましになることとあいなった(いや、昭和の時代にもレンジはあったから>自分)。
ま~、レックス家の近所でも、今時車も電子レンジも無いのは、ウチぐらいのものだろう! って、自慢することではないが。
しかし、そこは昔人間レックス(おまけにビンボー)、今流行のスチームオーブンレンジなんて買う訳もなく、温めオンリーの単機能レンジにした。調理はこれまで通り、ガス。いや、別にアタシはガス屋のまわしモノじゃないけどね。
でも、やっぱり火を使ってグツグツ煮た料理が一番美味しい! と思ってしまう昭和人間には、それがちょうど良いと思う。
料理なんて、自分が美味しいと思うやり方で作ればいいんだしね。
けど、ネットで初めていろいろとレンジを調べてみて、ちょっとびっくりした。単機能レンジって、安いね~。いや、電子レンジってもっと高いものだと思っていたからね。
私が子供の頃は、高級品だったからね、電子レンジ(いつの時代やねん)。
結局、値段の方も昭和のままで止まっていた、困ったレックスなのだった。
0 件のコメント:
コメントを投稿