2020年6月13日土曜日

夢の中へ、夢の中へ、行ってみたいと思いませんか・・・・・・





レックスは毎日のように夢を見る。たいていの場合、夢の内容は目を覚ますと同時に忘れてしまう。だが、中には印象に残る夢もあって、今でもそんな夢のいくつかがしっかりと脳裏に焼き付いている。




例をいくつか挙げると。

まず、人を殺す夢・・・・この時はカラーの夢で、真っ赤な血の海の中にレックスが一人、凶器を手に呆然と立ちつくしている。足元には見知らぬ人の死体が数体、というかなりショッキングな内容だ。何で人を殺すに至ったか、と言う点に関しては、夢の中では全て省略されていた。いや~、これを見てからしばらくは、

「もし、正夢だったらどうしよう!?」

とびびっていたよ。死刑判決を受け刑の執行を監獄の中で待っている夢(ちなみにこの二つは特に連動していたわけではない)というのもあったな。鉄格子のはまった監獄の小さな窓を見上げ、

「どうしたらここから脱獄できるだろう」

とばかりひたすら考えている哀れなレックスがいじらしかった(?)。そうそう、体長二メートルの巨大ゴキブリに襲われる夢、こいつは怖かった、実に怖かった。恐怖映画でもこれほど怖いヤツに当たったことはない。泣きながら目を覚ましたよ。思わず、

「どっかにマジモンがいるんじゃないだろうね」

と部屋の中を見回してしまったぜ。



中でも忘れられないのは、次の夢だ。店主が一人でやっているひなびた田舎の美容院に、よれよれのレインコートを着たうらぶれた中年男がふらりと現れる。男は巨大な唇のオブジェを小脇に抱えており、無料でいいからこの店に置かせてくれ、と店主に頼み込む。店主は渋々承知するのだが、男はそのまま、どこへともなく消えて行く。そこへ客が現れ、店主は客の髪をセットし始める。その間に、手が滑ってブラシを落としてしまう。拾おうとかがみ込むと頭上で悲鳴が聞こえ、身体を起こすと唇のオブジェが客を食べているところを目撃するのだ。巨大な上唇と下唇の間から、ダラリと垂れ下がる客の下半身。腰を抜かす店主を尻目に、オブジェはふわりと宙に浮き出し、そのままフワフワと店を出て行ってしまう、歌を口ずさみながら・・・・・・。そして場面は変わり、とある大きな洞窟の中に例の中年男がぼんやりとしゃがみこんでいる。そこへ1人の刑事が乗り込み、

「おい、唇のバケモンが人を食うだなんて、何かのごまかしだろ。ホントはお前が殺したんだろ!」

と男に向かって叫ぶ。すると、男は黙って力なく洞窟の奥を指さす。すると、奥からデカイ唇のオブジェがフワフワとこちらに漂いながら姿を現す、歌を口ずさみながら。呆然と立ち尽くす刑事・・・・・というまるでB級ホラー映画のような夢なのだ。このまま、三流のホラー小説が書けそうな気がするほどだ。いや、アタシにもしも文才があったなら、

「この夢を下敷きに小説を書いて、和製スティーヴン・キングも夢じゃない!?」

 と妄想するほど。我ながら、

「なんちゅう夢見るのかね」

 と言いたくなる夢の数々。



しかし、いずれも見たのは10代、20代、せいぜい30代前半頃までで、ここ最近はすっかりインパクトのある夢とはご無沙汰していた。

「年を取ると感受性が鈍くなるのか、夢も愚鈍になっていくのね」

 なんて思っていたのだが。つい数日前に久々に強烈な夢を見たぜ。



夢の中で、アタシは目を覚ます。そして、枕もとの時計代わりの携帯に手を伸ばし、時刻を確認する。

「まだ、5時14分か・・・・・」

 あと1時間は眠れるな、と考え、夢の中で再び眠りに落ちる。と、それからほどなくして、本当に目を覚ましたアタシは、

「何時だろう?」

 枕もとの携帯を確認した。すると、なんと! 時刻は5時14分!! 

「え!?」

 一気に眠い目がバッチリ覚めちまったよ。でもまたすぐに寝たけど。



これって、何を意味しているのだろう、と考えてしまった。ただ、夢の中と思っていた最初の目覚めの時、実際に(夢うつつで)目を覚ましていて、時刻を確認したのかもしれない。で、少し経っているような気がしていたけど、そのあとすぐにまた目を覚まして同じ時刻を見たのかもしれない。でもな~、感覚では少しインターバルがあったんだよね。



ともかく、昔から夢分析やら夢判断やら夢占いやらと、何かと人間、おかしな夢は気になるものなのかもな。このおかしな夢の数々、何かの役には立てないものだろうか、とふと頭の中でそろばんをはじいてしまう、実生活では役立たずのレックスである。




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