2018年9月15日土曜日

介護離職すべきかやらざるべきか、それが問題だ・・・・


仕事を持ちながら介護を担っている人間にとって、これは永遠の問題だろう。

介護離職すべきかそれとも働き続けるべきか、介護離職するとしたらいつするか、頭の痛い問題だ。

中には、

「仕事を辞めたいけれど、経済的な理由から辞められない」

 という人もいるだろうし、逆に、

「仕事を続けたいのに、周囲から辞めて介護に専念するよう、プレッシャーをかけられている」

 という方もいるのではないだろうか。

 

周りの人達は実にいろいろなことを言う。私も言われた。私の場合は、

「絶対に仕事を辞めてはダメ! この先、あなたの老後はどうなるの!?」

 という言葉だった。結論から言えば、仕事を続ける、辞める、辞めるとしたらいつ辞めるか、それを決めることが出来るのは、あなた自身しかいない。自分で決断するしかないし、すべきである。

「仕事を辞めるな」

 と言った人が、例えばあなたが介護と仕事の重圧に負けて病気になってしまったとして、面倒を見てくれるわけではない。同じように、

「仕事を辞めて介護に専念しろ」

 と言った人が、介護が終わった後、あなたに仕事を世話してくれるわけでもない。

 

仕事を続けるにしろ辞めるにしろ、そのどちらにもメリットとデメリットがある。どちらが良いとは言えないし、そもそも介護に正解はない。それに状況や環境も人それぞれだ。私自身は母を在宅介護して良かったと思っているし、仕事を辞めたことも今のところ、後悔してはいない。だが、だからと言って他の人に同じことが言えるかと聞かれたら、それは分からない。自分にとって何が一番良いのか、それを決められるのは、自分だけだ。

 

私自身の話をすれば、最初に母を在宅介護することになった時、仕事を辞めることなど全く考えていなかった。それは仕事をどうしても続けたいという強い思いがあったわけではなく、(退職を)思いつかなかった、という方が正解だ。そして、考える間もなく平均睡眠時間4時間の怒涛の介護生活が始まってしまったのだ。

 

ここで一つ提案があるのだが、何かを考える時にはやはり「ゆとり」が欲しい。私は毎日目の前の生活に追われて、全く考える暇がなかった。人間あまりに追い詰められると、頭が働かなくなる。もし使えるのならばたとえ1ヶ月でも介護休暇を使うべきである。

1ヶ月で何が出来るんだ!?」

 と思われるかもしれないが、これは何かをするための時間というより、何をしたらよいか考える時間なのだ。仕事を続けたいのか続けたくないのか、続けるとしたらどのような環境をどう整えるべきか、その手筈、段取り、そんなことをこの1ヶ月の間に行っておく。

 

私が介護離職を決めた時、実は決めていなかったのだが、それは本当に唐突だった。あの日、いつものように私はパソコンに向かって、データを入力していた。と、何を思ったか、傍らの上司を振り返って、いきなり、

すみません、私仕事辞めさせていただきます

 と言ってしまったのだ。言ってしまってから、自分で自分にびっくりした。なぜって、退職を申し出ようなんて、今の今まで全く考えていなかったからだ。口がかってに開いて、かってにしゃべってしまった、そんな感じだった。

 

確かにその少し前から、変調をきたしてはいた。2時過ぎにベッドに入る。明日は6時起きだ、4時間しか眠れないぞ、さあ寝よう、と思うのに、中々寝付けない。そうかと思うと、中途覚醒してしまう。身体は疲れているにもかかわらず、眠れなくなってしまったのだ。体重はどんどん減ってしまう。40㎏を切った時点で、私は量るのを辞めてしまった。

38㎏になっちゃった」

 などとなると、よけいにガックリきてしまうからだ。確かに私は背が低いので、40㎏でも骨と皮というわけではないが、やはり30㎏台はキツイ。

「このままいくと、病気になってしまうのでは」

 という漠然とした不安はあった。しかし、仕事を辞めようとは考えていなかったのだ。それが、自分でも思ってもいなかった「退職宣言」である。

 

思うに、私よりも身体の方が決断してしまったのだろう。
「このままじゃ、病気になっちゃう!」
 と。それはそれで正しかった。
が、やはりいい年をした社会人が、あの「退職宣言」はいただけなかった。これは今でも反省している。

 

だから、皆さんは私の轍を踏まないためにも、無理をしてでも「ゆとり」を生み出して欲しい。そして、自分は本当はどうしたいのかを見つめよう。結局、自分のことは自分が一番知っているのだから。

0 件のコメント:

コメントを投稿