2018年5月5日土曜日

これぞ熱海! ホテルの窓から花火見物


私の中には、これこそがホテルの中のホテル、旅行の中の旅行、「ザ・ホテル」「ザ・旅行」とは、まさにこいつのことよ! という確たる信念(?)がある。それが、熱海と箱根なのである(むろん、何の根拠もなく)。伊東の「ハ〇ヤ」と並び、長年の私の憧れ、ヒーローなのだ。

 

しかし、熱海の温泉ホテルで一泊、という私の夢はずっとかなうことなく今日に至ってしまった(箱根は、10年ほど前についにその望みを果たした、ふぉーっふぉっふぉっふぉ)。

両者に共通しているのは、伝統的な日本の観光ホテルの姿を今にとどめていることと、お値段がお高いことである。

「ええ~、熱海の高級ホテルで3泊するなら、グアムへ行けるじゃん!?」

 などとバチ当たりなことを考えては、そっちを選んでしまっていたレックスだった。思うに、当時の私は熱海の真の魅力を理解するには、まだまだ修行が足りなかった、ということだろう。

 

それが、ついに今回、その夢が実現する。そんなわけで、ホテル選びの段階からめちゃくちゃ肩に力が入っていたレックスだった。

 

しかし、熱海でお一人様、しかもそこそこリーズナブルなお値段で泊まれる観光ホテル、むろん2食付、などというところは非常に限られてしまう。素泊まりやビジネスホテルの類ならばお安いホテルも多いのだが、私としてはやっぱり「温泉付き観光ホテル」に泊まりたい(しかも私の払える金額で←ここ大事)。

 

目を皿にしてネット検索したあげく選んだのが、「リゾーピア熱海」だった。このホテルの良さはその立地だ。客室から熱海の海が一望できる。しかも、朝食はバイキングだが、夕食はレストランで和食のコースを堪能できる。お値段もまあまあ。何といっても、お一人様OKってのが嬉しいよね。結局このホテルを選んだのだが、夕食のコースをお安い方にしたのは、やはり私のサガだろう。

 

熱海駅から無料の送迎バスが出ているのだが、乗り遅れた私はホテルまで歩くことにした。歩いても駅から10分ほどと、ブラブラと景色を楽しむにはちょうど良い距離だ。歩を進めるほどに、海が少しずつ近づいてくるのも心地よい。

実はこの時すでに夕方の4時を回っており、私はお腹を空かしていた。何しろ昼は調理パン1個である。

「ま、ホテルに着いたら売店ぐらいあるだろう」

 しかし、これが大きな間違いであったのを、後で知ることになる。

 

土曜日でもないのに、ホテルのフロントはけっこう混雑していた。さすが、熱海である。チェック・インはすんなりといったのだが、しかしどこを見回しても売店らしきものがない。レストランも夕食を食べる和食レストランのみで、カフェのようなものは見当たらない。

「そ、そんな馬鹿な」

 うろたえる私。すでに私の腹の減り具合はマックスだ。しかも、夕食は、

「すでに早いお時間は満席でございます。7時からでお願い致します」

 う~む、これは計算外であった。駅のコンビニで何か買っておけばよかった、と思うも後の祭り。

 

部屋は狭いながらも想像通り熱海湾が一望でき、十分満足のいくものだった。が、満足がいかないのが私の胃袋だ。仕方がないのでホテル備え付けのお茶をガブガブと何杯も飲んでしまった。俗に言う、「茶腹も一時」というヤツだ。しかし、これが後になってツケを支払わされることになるのである。

 

念願の熱海の温泉にもゆったりとつかり、浴衣に着替えてすっかりリラックス・ムードのレックス。待ちに待った夕食のお時間である。

「ええ~!?」

 私の中には「温泉ホテル(旅館)での正しい(?)夕食スタイルは浴衣」という、固い信念がある。ホテルに着いたらまずは温泉で旅の疲れを落とし、浴衣でリラックス、そこで御馳走を大いに詰め込む、という段取りである。が、いざレストランに着いてみると、浴衣姿は数えるほどしかいない。特に、女性は皆さんきちんと洋服を身に着けている。浴衣姿は、

私一人・・・・・・」

 ちょっと恥ずかしいかもしれない・・・・・・。ままよ、ここは食ってしまえば皆同じ、である(意味不明)。

 

事実、いざ食事が始まるとすっかり目の前のごちそうに目を奪われ、浴衣姿は気にならなくなった。お安いコースにも関わらず品数も豊富で、心から満足したレックスだったのである、ああ幸せ。






 

ここで思わぬサプライズがあった。

実は、この日は熱海の花火大会にあたっていたのである。熱海では観光の呼び物として、月に2度ほど花火大会を海辺で開催している。むろん、それをねらって旅行の日程を組んだわけではない。人が多かったのはそのためもあったのかもしれない。一人旅は大好きな私だが、さすがに花火大会やお祭りだけは、一人ではちょっと・・・・だ。それに、人ごみも嫌いなので、花火そのものは好きだが、花火大会の会場まで足を運ぶのは、苦手だ。だが、海辺に建つこのホテルのおかげで、自分の部屋から熱海の空を彩る花火をゆっくりと堪能することができた。

 

ああ、いい一日だったなあ、思い切って熱海まで来てよかったなあ、と心の底からしみじみと思った。これで終われば本当に良い一日だったのだけれど・・・・・。

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